今回訪れるのは、こちら↓
どこだかわかりますか??

こんな場所
特徴的なのでお分かりかと思いますが、北海道のしっぽのところにある、「亀田半島」です!函館市から東に進んだところですね。
今回のここいいね!は住所は函館市日浦町周辺なのですが、おそらく函館市民でも知らない人が多い穴場スポット「日浦洞門」と「道南金剛」について現地レポートしていきます!
今回のルートはこんな感じ!
今回通ったルートはこんな感じです。

函館の市街地から向かいました
このように、今回は函館市の市街地方面から、外環道を通って空港の裏まで出てから、東の方に向かいました。
以下の画像のように、ずっと海沿いを走っても行けます。

これでもOK
さて、それでは早速現地レポートしていきます。
日浦洞門とはどんなところ?
日浦洞門は、国道278号線から脇に逸れた、函館恵山線道道41号線にある、素掘りのトンネルの道です。
国道278号線から日浦洞門に分岐するポイントはこちらの「サンタロトンネル」になります。
サンタロトンネルのところを右にそれると、道道41号線が始まります。

サンタロトンネル
この道を右手に進むと、こんな感じ。
「落石の恐れ」なんて物々しい文言がありますが。。
それもそもはず、この道を進むと、このようなトンネルに差し掛かります。
これこそが、日浦洞門です。海岸線に突き出す岸壁に掘られたトンネル。
ちなみに、トンネルに入る前には、階段があって磯に降りられるところがあります。
ヤドカリや貝などいきものがたくさんいるので、引き潮の時に行くととっても面白いですよ!
では早速トンネルの中に入ってみましょう。

入ってみる

さらに進む
こんな感じになっています。
今にも崩れてきそうな、素掘りのトンネル。
ちなみに、この画像のトンネルは日浦洞門1号トンネルです。
なお、上記の説明の通りサンタロトンネルから右手に進むと、日浦洞門の終点側からに進むことになっています。
この先のトンネルを含めて道道41号線は7つの素掘りトンネルが連続する、圧巻のルートなのです。
掘ったところの肌はこんな感じ。
打ちっぱなしのコンクリートよりザラザラで、車を擦ったら完全にOUTでしょう。
ちなみに、日浦洞門の「日浦」とは、やはりアイヌ語が由来で、「フラゥェン=回想が打ち上がって臭いところ」というのが語源となっているようです。
この道道41号線ですが、開通したのは昭和4年のこと。今から92年前ですから、かなり古い道となっています。戦前から残る貴重な遺産とも言えます。
このトンネルの工事が始まったのは昭和3年で、たった一年で開通しました。
この辺りはすぐ右手が海で、さらに連続する岸壁が日浦海岸の水辺ギリギリまで突き出す形となっているので、道を開通させるにはトンネルが必要だったのです。

海岸に突き出す急峻な地形
ですが、この辺りの岩盤は性質上、火薬などのダイナマイト処理による発破をかけられなかっため、手で掘った、つまり手掘りのトンネルとなったわけです。
現在では硬岩の場合は発破掘削が多く取り入れられていますが、この当時はなぜ素掘りだったのでしょうか。民家が近かったこと、岩盤が硬岩ではなかったなどが考えられますが、本当のところは情報が不足していて明らかにできませんでした。
素掘りと言っても、今はコンクリート吹き付けを行なっていますので、ポロポロと崩れてくることはありませんのでご安心ください。
さて、どんどん日浦洞門のトンネルを進んでみましょう。

暗い
日浦2号トンネルは、だいぶ暗くなっています。
暗すぎて、歩いて通るとかなり異世界感が味わえます。
ただ、現在は1996年と2005年に行われた岩盤補強工事や、コンクリート吹き付け処理が行われているので、完成当時に比べると趣は減ってしまっているかもしれません。
どんどん進んでいくと、今にも落石がありそうな場所もありますが、ネットで補強されています。
この日浦洞門のある道道41号線(函館恵山線)ですが、この道が開通するまでは、急峻な地形を徒歩で超える必要があったり、峠越えをしなければならないところもありました。
明治43年にはある程度回収されて馬車が通ったりもできたようですが、それでも原木峠を越えなければならなかったりと言った苦労がありました。

原木峠

原木峠
その後、大正12年に道路の敷設に取り掛かります。昭和2年には上記の原木峠、日浦峠の工事も始まり、日浦洞門が作られ始めたのです。
その後、昭和7年には自動車道が完成しました。
そうして、日浦洞門は長きにわたり住民たちの生活道路として使われてきたのですが、昭和60年には冒頭で紹介した「サンタロトンネル」が開通し、日浦洞門の道道41号は町道になってしまいます。しかし、2年後には再び道道になるといった歴史があるのです。

道道41号はもともと国道278号
ちなみに、この道道41号線はもともとは国道278号線だったので、国道→町道→道道と、昇格降格を繰り返しています。
日浦洞門から道南金剛へ!
日浦洞門のトンネルを抜けると、「道南金剛」が姿を表します。
道南金剛とはなんなのかということですが、実は函館市指定文化財にも登録されている、柱状節理の絶壁です。
道南金剛は、日浦洞門を通っている間からもチラチラと見え始めます。

道南金剛
このように、柱状節理でできた奇岩が層になっている地形で、何も知らずにここを通ってしまうと、おもわずびっくりするような異世界感です。
この写真の岸壁はもともと1984年ごろまで採石場、採掘場として使われていたところのようです。
この崖だけではなく、あたりを見回すと、岩の全てが柱状節理です。
柱状節理とは?
ちなみに、柱状節理とは何かというと、マグマが700〜1000℃で冷却されて岩石となって固まる際に、六角形や五角形の柱状に固まったものです。
岩石となったマグマは冷却する時に体積が少し縮むので、このような割れ目ができるのです。
ここ以外にも北海道の層雲峡や、兵庫県の城崎温泉に近い玄武洞などでみられます。
道南金剛を抜けると、サンタロナカセ岩が!
道南金剛を通り過ぎると、サンタロナカセ岩という岩が見えてきます。こちらも有名なスポットです。
サンタロナカセ岩という名前ですが、そういえばサンタロトンネルというのもありましたよね。
実はこれ、「佇て岩とサンタロ泣かせ」という民話(伝説)が由来となっているのです。
サンタロウという漁師が、息子夫婦と三人で暮らしていました。
ある日、サンタロウの息子がタラ漁にでたのですが、海が時化てしまい、サンタロウの息子は帰ってこなかったのです。
サンタロウと息子の嫁は、二人で来る日も来る日も海辺に佇んでサンタロウの息子の帰りを待ち、悲しみに暮れて待ち続ける間に、ついには二人は岩になってしまいました。
といったような内容の民話です。
岩が二つ並んでいます。
このような伝説が示している通り、この辺りはかなり海難事故が昔から多かったことがわかります。
この一帯は、潮が引くと平磯が大きく広がり、暗礁も多く岩もゴツゴツしている危険な場所です。

磯が広がる
瀬戸内海のように静かに凪いでいる時もありますが、風の強い日は波が強く打ちつけ、白波が押し寄せます。
博物学者の菅江真澄が詠んだ、
舟寄せて 見るも及ばぬ いや高き 巌の末に かかる白雲
という言葉もこの辺りの自然の厳しさを物語っているようです。
実際にここは津軽海峡で最も危険な場所だと言われていて、漁船のみならず大型船の遭難等も多かったそうです。
この辺りの旧尻岸内町や旧女那川町で日本海軍の軍艦「東京丸」が座礁・沈没、「笠置」が座礁・廃船した例もあります。
軍艦が2隻も座礁するなんて、かなりの大事ですよね。
そんな海域ですが、海は驚くほど青く、透き通っているのが見どころです。

青すぎる
日浦洞門・道南金剛・サンタロナカセ岩の駐車場やアクセス
ご紹介してきた日浦洞門・道南金剛・サンタロナカセ岩には整備された駐車場はありませんが、車を止めるスペースはあります。※駐車場として開放されているわけではないので、推奨はしません。
日浦洞門の駐車場代わりに止められるところ
日浦洞門では、サンタロトンネルから道道41号線に入ったところに、観光客がよく車をとめている砂利のスペースがあります。詰めれば軽自動車3台がギリギリくらいのスペースです。

日浦洞門側からサンタロトンネル側をみた

この辺り
これよりサンタロトンネルの入り口側は、漁師さんが昆布を干すところなので、侵入しないようにしてくださいね!
また、日浦洞門のトンネルの前後や道の各所に行き違い用のスペースがありますが、この道はバスも通るので、できれば狭いところは止めない方が良いかと思います。
道南金剛の駐車場代わりに止められるところ
道南金剛では、岸壁のところの前後におそらく行き違い用と思われるスペースがあります。

スペースが左右両側にある
こちらも止めるスペースはありますが、バスや車の邪魔にならないように気をつけましょう。
サンタロナカセ岩の駐車場代わりに止められるところは
サンタロナカセ岩の周辺は狭く、大きなスペースがあまりありません。ですので、車を止めておける場所はないのですが、車からみるだけでも十分に楽しめますので、ご安心ください。
日浦洞門・道南金剛・サンタロナカセ岩のアクセス(函館バス)
日浦洞門・道南金剛・サンタロナカセ岩には、バスで訪れることもできます。
バスで素掘りのトンネルを通るのもかなりの迫力だと思いますので、選択肢の一つとして考えても良さそうです。
ですが、本数はそこまで多いというわけではないので、時間の計画に気をつけてバスを利用されてくださいね!
民家の後ろに聳え立つ、戦前に作られた鉄道路線の遺構
函館から日浦洞門に向かうと、途中で戸井町という街を通ります。
そこには、圧倒的な存在感の鉄道未成線のアーチ橋があるのです。
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